頭脳王 算数数学に挑戦!2018-4(全7回)

テレビでは今年も最強の頭脳 日本一決定戦! 頭脳王が2/3に放送されました。
今回も長い固有名詞を正確に答えたり、世間であまり知らされていない事柄を答えたり、広く深く知識を得ないと答えられないような問題を攻略する出場者を見て、知識人の壁というのを改めて感じました。

しかし、数学や算数の問題はみなさんでも電卓を使えば正解できるはずです!
ここでは放送された中から算数数学の思考で解ける7問を取り上げます(権利が必要そうなものはこの中にないはず)。

今回は宇宙に関する問題。
宇宙最大級のブラックホールが発見されました。ということで…

以下の条件で、質量が太陽の210億倍あるブラックホールの直径を求めよ。
・「ブラックホールの半径」とは、光速で移動する物体の運動エネルギーと重力による位置エネルギーとの和が0になる、重力源からの距離
・太陽の質量は1.99×1030kg
・万有引力定数はG=6.67×10-11m3・kg-1・s-2
・光速は3.00×108m/s
・km単位で、四捨五入して有効数字3桁で答える

さて、これを解くために必要な物理の知識を記述します。
・質量mの物体が速さvで移動しているとき、この物体の運動エネルギーは(mv2)/2で求められる
・質量mの物体が質量Mによる重力源の重力を受けていて重力源からの距離がrであるとき、この物体の位置エネルギーは-GmM/rで求められる

ここから下に解説が表示されます。

まずは半径を求めましょう。運動エネルギーと位置エネルギーの総和が0ということですから、適当に質量mの物体を考えて
(mc2)/2 – GmM/r = 0
となります(cは光速)。ここから
r=2GM/(c2)
と変形できます。求めたいのは直径ですからこの2倍が答えになります。
ということで計算すると
4GM/(c2)=(4 × 6.67 × 10-11 ・ 1.99 × 1030 × 210 × 108)/(3 × 108)2
=(4 × 6.67 × 1.99 × 70)/3 × 1011=3716.524/3 × 1011= 1238.8…× 1011
となります。これをkmに直して(数値を10-3倍する)有効数字3桁で答えると
1.24 × 1011kmと求められます。
(直径でみて太陽系の数百倍は大きいです…)

次回は面積体積を計算します。

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