頭脳王 算数数学に挑戦!2018-3(全7回)

テレビでは今年も最強の頭脳 日本一決定戦! 頭脳王が2/3に放送されました。
今回も「DNAの塩基配列をみて生物名を答える」とか「細胞組織図を見て生物名を答える」とか、どこに手がかりがあるんだ、と言いたくなる生物問題も出題されました。
塩基配列は全塩基数やその生物にしか存在しない配列、というものから推測するのでしょうか?
細胞組織図は生物専攻なら判別のしかたがわかる?
なかなかとらえにくい分野です…

しかし、数学や算数の問題はみなさんでも電卓を使えば正解できるはずです!
ここでは放送された中から算数数学の思考で解ける7問を取り上げます(権利が必要そうなものはこの中にないはず)。

今回は物理に踏み込んだ問題を1つ。
フィギュアスケートでは近年4回転成功が目立っていますが、それを軽々できるロボットがいるとしたら…

以下の条件で、フィギュアスケートで100回転するのに必要な最高点(地上からの距離)を答えよ。
・4回転するには滞空時間が0.7秒必要、回転数は滞空時間に比例する
・重力加速度は9.8m/s2
・m単位で、小数第2位を四捨五入して答える

さて、ここで物理の知識を1つ。
ジャンプするときの鉛直方向の速度をv(m/s)としたとき、t秒後の速度はv-gt(m/s)となります(マイナスは落下を表す)。
また、この状態でt秒たったときの地上からの距離はvt-(gt2)/2となります。
これを知っていれば計算することができるはずです。

ここから下に解説が表示されます。

まずは必要な滞空時間を求めてみましょう。
4回転で0.7秒、ということです。100回転は4回転の25倍ですから滞空時間は
0.7 × 25 = 17.5秒
必要になります。
この時間で初めて接地することになりますので
vt-(gt2)/2=0
がt=17.5秒で成立するようなvを考えることになります。
これからt=2v/gとなりますので
v=gt/2 = 9.8 × 17.5 / 2= 85.75(m/s)
となります。
これが分かれば最高点を求められます。
最高点はvt-(gt2)/2の最大値です。
vt-(gt2)/2=v2/2g-g(v/g-t)2/2
であるので最高点は
v2/2g = (v/g) × v / 2 = 8.75 × 85.75 / 2 = 375.15625(m)
となり、四捨五入して375.2mと求められます。

…と説明してみましたが、頭脳王クラスとなると裏ワザを使用しているはずです。
まず滞空時間を求めるところは同じだと思いますが、ここから
「最高点は滞空時間の半分を2乗して重力加速度をかけて2で割る」
という計算を一気にしたと考えられます。すると
8.75 × 8.75 × 9.8 / 2 = 375.15625
となります。さらに17.5=70/4も活用したことでしょう。

次回は同じく物理でブラックホールを取り上げます。

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