共通テスト平成30年の試行結果を偏見で考察(2B)

昨年実施された大学入学共通テストの試行調査に対し、マーク式解答の結果が12/27に公表されました。
大学入学共通テストの導入に向けた平成30年度試行調査(プレテスト)マーク式問題に関する実施状況(速報)について

問題ごとの正答率も公表されています。
この記事では数学2Bに対する正答率からこの試行を受けた高校生に対する傾向を考察しようと思います。

全体的な感想

正答率が1%未満~90%以上まで広くばらけています。
定義を問う問題からかなりの思考を要する問題まで多様な難易度が用意できたようです。
正答率が80%を超えた問題が11問、10%を切った問題が12問と、やや極端なものが配置されています。

問1

[1]は三角関数の問題です。
最初の問題は定義を理解していれば正解できる問題で正答率が非常に高いです(84.3%)。
ただQの座標を表す問題は正答率が50%を割っています(43.2%)。符号や使う記号を間違えた人が多いのでしょうか。
グラフも検証することがいくつかあり、つまずいた人がいたようで正答率が43.5%にとどまっています。

[2]は整式の微積分に関する問題です。
整式は微分すると次数が1減る、ということは覚えている人も多いらしく、94.4%が正解しています。
ただ整式を求める問題は計算を間違えた人も続出したのか、正答率が42.1%となっています。
また、積分を面積で表す問題は正答率が38.7%とふるわないことから、単純に「積分で面積が出る」ということから間違えた人も少なくなかったのだろうと思います。

[3]は指数対数を利用する問題です。
あてはまる指数を選ぶ問題は正答率が高いように思えます。(マーク順に88.6%、71.9%)
前者は定義から導かれるので納得がいきますが後者はなかなか見えないところ。このあたりは授業で押さえられているのでしょう。
対数ものさしを使った問題は(計算尺に慣れ親しんだ人々と)世代が違うのでなかなか苦労しそうですが、正答率50%を超えるものもあり健闘しているとおもいます。
ただ最後の問題は慣れないと選び損ねる選択肢もあったりしますのでかなり低い正答率(1.3%)となっています。

問2

[1]は線形計画法の問題です。
最初の2問は条件を式にするだけですので正答率も高いです(マーク順に94.7%、92.9%)。
その次の問題は「条件をみたしているかどうか、の記述が正しいか」という少し複雑な問いかけになっていますが正答率は87.9%と高いです。
ただここから先は一気に正答率が落ち、小分けにできない場合に食べられる最大量が何通りかを求める問題は18.8%にまで落ち込みます。
ただ他の問は正答率が一定になっていますのでこの手法を知っているかどうかが分かれ目になったようです。

[2]は軌跡に関する問題です。
やり方が見えないととっつきにくく、最初の問題でも41.4%とふるいません。
Aを任意の場所にした場合に至ってはすべて選択する形式であることもあいまって正答率は2.7%にまで落ち込みます。

問3(選択率19.39%)

確率分布に関する問題です。選択した人も少ないですがどの問題も正答率が低く、これを選んだ人の多くは地獄を見たと思います。
最初の問題(母比率から標本での期待値を計算する問題)から正答率が35.3%しかなく、しかもこれが問3の中で最大の正答率です。
割合の分布は慣れない人も多かったのか、標準偏差の正答率は3.0%しかありません。(私も解いていて間違えました)
読書時間の平均を計算する(2)については悲惨ともいえる正答率で、平均の分布の平均を求める問題(母平均をもってくるだけ)でも14.7%しか正解していません。この分布がある値を超える確率に至っては今回実施されたもの(他の科目を含む)全ての中で最低の正答率(0.2%)を記録しています。正解の値が小さすぎて計算を間違えたと思いこんだ人も多かったのかもしれません。
信頼区間に関する(3)も正答率が低く、信頼区間の定義に関する問題も芳しくない(8.6%)ことから、確率分布の教育があまり進んでいないことに愕然としたセンター職員もいたのでしょう。

問4(選択率94.43%)

数列に関する問題です。話を読み進めれば解けそうですが最後に大物が待っていました。
(1)は実際に授業で取り上げたところも多いのでしょう。高い正答率になっています(マーク順に85.5%、67.2%)。
(2)以降は考えることも多くなり徐々に正答率が落ちていきます。
最後の大物、(5)は2次式が漸化式にあるものからいきなり一般項を求めよ、ということでしたのでかなり面倒な計算を強いられます(しかも途中でこれまでの式を流用できない)。そのせいか正答率は2.1%まで落ち込みました。

問5(選択率86.18%)

ベクトルに関する問題です。数学2Bで最高の正答率は中点を表すベクトルの係数を求めるものです(97.3%)。
定義を覚えるより公式を覚える人が多い、ということなのでしょうか。これを当てて問1のPの座標や10x=2となるxを間違えた人には少々不安を覚えます。
ただここから先はうまい等式を見つけるのが難しいのがひびいたか、それとも時間配分に失敗した人が増えたのか、(1)(iii)以降は全て正答率が20%を切っています。

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