共通テスト平成30年の試行結果を偏見で考察(1A)

昨年実施された大学入学共通テストの試行調査に対し、マーク式解答の結果が12/27に公表されました。
大学入学共通テストの導入に向けた平成30年度試行調査(プレテスト)マーク式問題に関する実施状況(速報)について

問題ごとの正答率も公表されています。
この記事では数学1Aに対する正答率からこの試行を受けた高校生に対する傾向を考察しようと思います。

全体的な感想

正答率は1%~80%まで広く分布しています。
80%を超えるものがなかったものは定義を問うものがなかったからでしょう。
個人的には相関係数に関する問題が手ごわそうに見えましたが思ったより正答率が高い部類です。
単純に面倒な計算であるほど正答率が低い傾向が出ています。
なお、正答率が50%を超えた問題は44問中10問、10%を下回った問題は44問中8問と、なかなか得点できない人が多かったようです。

問1

[1]は集合や条件に関する問題です。
マークは反例を選ぶものだけですが思ったより苦戦しており正答率は35.3%となっています。(これでも問題別中央値より高い)
おそらく反例に見えるものに惑わされた人が続出したのでしょう。

[2]は放物線のグラフと解の関係に関する問題です。
最初の状態から解の特徴としてあてはまるものを選ぶ問題の正答率は高め(72.1%)です。
操作をして不等式の解が指定された条件になるものを求める問題は問題の面倒さにめげずに健闘してくれているな、と感じます。(マーク順に46.7%、32.3%)

[3]は記述問題なので省略。

[4]は正弦定理を証明する問題ですが正答率のばらつきは小さく、60%前後にとどまっています。
(マーク順に64.4%、55.2%、66.3%)
定理を導き方が何となくわかっていた人は解けたのではないか、と考えます。

問2

[1]は三角形と動点を使用した問題です。動点が3点もあり計算も面倒なので大苦戦したようです。
最大の正答率がある時刻での三角形の面積を求める計算問題となっています。(それでも40.8%)
加えて、正答率10%を切る問題が2問あります。
1つは動点が作る線分の長さとして取りうる回数(3%)、
もう1つは別の三角形を使って動点が作る三角形が指定した面積になる時刻(1.6%)となっています。
前者は計算と場合分けが面倒なため、
後者はまた面倒な計算をしなければならないと感じて放棄した人が多かったのでしょう。

[2]はデータの分析に関する問題です。
計算で説明できない問題がいくつかありますが正答率が最低なものは意外にも相関係数を計算するものでした(20.3%)。
相関係数に関する記述は正答率が低い(26%)のはなんとなく想像できますが
xの標準偏差を計算する問題のほうが正答率が低い(25.6%)のは驚きです。
また、相関係数の意味合いを説明する問題(31.4%)、データが2組のときに相関係数が3通りに限られる理由(28.4%)もxの標準偏差を計算するだけの問題より正答率が高くなっていることは不思議に見えます。

問3(選択率75.96%)

くじを利用した確率の問題です。
細かい計算が多いせいか2番目の人があたりくじを引く確率3問がいずれもBのあたりくじの本数に対する適切な選択を選ぶ問題(16.1%)より低くなっています。
(Bのあたりが5本で2番目の人が1番目の人と同じ箱を選びあたりくじを引く確率では14.2%、
Bのあたりが5本で2番目の人が1番目の人と異なる箱を選びあたりくじを引く確率では8.1%、
Bのあたりが7本で2番目の人が1番目の人と同じ箱を選びあたりくじを引く確率では5.3%)

問4(選択率75.28%)

天秤を利用した整数方程式の問題です。
冒頭の3問は平易なので正答率上位3問となっています。(マーク順に76.2%、75.8%、78.3%)
ですがこの後は正答率が下がります。
3x+8y=20のすべての解を求める問題では正答率に差がみられます(xは9.3%、yは23.5%)。これは定数を間違えた人が続出したためといえそうです。
また、(5)の3問はいずれも正答率を10%を切っています(マーク順に6.5%、5.3%、1.1%)。
時間が足りずに計算できない値を数え上げるのに失敗した人が多かったのでしょう。
また、最後の問題は数学1Aにおける全問題で最低の正答率になっています。

問5(選択率48.77%)

平面幾何に関する問題です。
難しくなさそうなものもある気がしますが正答率がふるわないのは時間配分がうまくいかなかった人が多かったことの表れなのでしょう。
正答率が最低なものは(2)(v)の条件をみたすYを説明する問題(マーク順に12.7%、13%)でしたが10%を超えており、他の計算問題が非常に面倒だったことがうかがえます。

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