ヨーロッパ女子数学オリンピック日本選抜 2019 問1

今回の記事はこちらの問題。EGMO2019日本選抜の第1問です。

三角形ABCの外心をO、内心をIとし、∠Aの傍心をIAとする。点Iと点Oが異なり∠AIO=90°のとき、(AIA)/AIの値を求めよ。
ただし、XYで線分XYの長さを表すものとする。また、三角形ABCの∠A内の傍心とは、線分BC、半直線AB、半直線ACに接する円のうち、内接円でないものの中心をさす。

図を思い浮かべて、順を追って解いていくぐらいしかなさそうです。


まずは問題文を図に変換してみましょう。

そうすると、IとIAの間に外接円と交わる点があり、これが使えそうです。

三角形ABCの外接円と線分IIAとの交点をJとおく。
また、直線AOと外接円との交点においてAと異なるものをA’とおく。
このときAA’は直径となるので三角形AA’JはJが直角である三角形となる。
また∠ Aを共有することから三角形AOIとAA’Jは相似であることがいえる。
したがってAO:AA’=1:2よりAI:AJ=1:2(AI=IJ)がわかる。

ここからAIとIJの比が求められました。今度はIAで考えてみましょう。

ここで線分BIと線分BIAを考えると、BIは∠CBAの内角、BIAは∠CBAの外角の二等分線であることからIAを中心として半直線ABに接する円の接点をB’とすると
∠CBI = (∠CBA)/2,∠CBIA=(∠CBB’)/2より
∠CBI +∠CBIA= (∠CBA)/2+(∠CBB’)/2=(∠CBA+∠CBB’)/2=90°となるので、
すなわち三角形IBIAはBが直角の三角形。
同様に三角形ICIAはCが直角の三角形であることがいえる。
いずれの外接円もIIAを直径とする円になることがわかる。
すなわち、4点I,B,C,IAが同一円周上にくることがいえる。

ここからちょっと技巧的になりますが、この円の中心がJであることを示せば計算できます。

ここでJB,JC,JIの長さを考える。円周角の定理から
∠JAC = ∠JBC,∠JAB = ∠JCBであり
AJは角Aの二等分線なので∠JAC =∠JAB
これらより∠JBC = ∠JCBなので三角形JBCはJB=JCの二等辺三角形であることがわかる。
また∠JCI = ∠JCB+∠ICB = (∠CAB + ∠BAC)/2 = (180°-∠ABC)/2 = 90°-∠ABC/2であり
∠CJI=∠CJA=∠CBAであるので
∠CIJ=180°-∠JCI-∠CJI=90°-∠ABC/2 = ∠JCIがわかり、
すなわち三角形JICはJI=JCの二等辺三角形であることがわかる。
したがって3点B,C,Iを通る円の中心はJであることがいえる。

これで必要な情報は整いました。あとは長さの比を出すだけです。

4点I,B,C,IAが同一円周上にきており、∠IBIAが直角であることから
この円の中心は線分IIAの中点である。
ここがJに一致することからIJ:JIA=1:1であることがわかり、したがって
AI=IJ=JIAが成り立つ。
ゆえに(AIA)/AI = (AI+IJ+JIA)/AI=(AI+AI+AI)/AI=3

これで示すことができました。

なお、今回この記事を作成するにあたり、三角形ABCがみたしている条件を求めました。AIの長さを2通りで表すことで
tan(B/2)tan(C/2)=1/3
が導かれました。アイキャッチの図はこの関係式が成り立つように三角形ABCを描いています。

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