2018私立の注目問題 早稲田国際教養-3

2018年度の私立で公開されている問題から管理人が独断と偏見で選出した問題を解説する記事
記事の公開日はあれば実施日、実施日がなければ公開日にしています。

この記事の問題は早稲田大学 国際教養学科の第3問です。(見やすいように少々書き換えています)

mは実数定数とし、xの3次方程式x3-3mx+m-3=0が3個の異なる実数解α,β,γをもつ。
(1) mの範囲は[ア]である。
(2) α<β<γとする。このとき
(i)αの範囲は[イ]、(ii)βの範囲は[ウ]、(iii)γの範囲は[エ]である。

問題はよくある形式に見えますが、(2)をきちんと説明できるでしょうか?
(本番は穴埋めなのでそこまでは問われなかったが…)

ここから下に解説が記されています。

(1)は関数の増減を考えればいけるでしょう。
f(x)=x3-3mx+m-3とすると方程式f(x)=0が3個の異なる実数解をもつには極値を2個もつ必要があります。
ということでこれを微分して検証しましょう。
f'(x)=3x2-3mですので、極値があるとすればx2=mが成立します。
ということはx2は実数の2乗ですので負の値はとれず、さらに0だとx=0だけになってしまいますので、
まずはmが正であることがわかります。
ここからはそれを仮定して極値をみてみましょう。Webのためmの正の平方根をkとおきます。
f'(x)=0となるときx=k,-kとなりますから、f(-k)が極大値,f(k)極小値となります。
増減を考えるとf(-k)は正、f(k)は負の値にならなければなりません。
f(-k)=2mk+m-3=(k-1)(2m+3k+3),f(k)=-2mk+m-3=-(k+1)(2m-3k+3)となります。
2m±3k+3=2(k±3/4)2+15/8ですからこの値は正となります。
ということはf(-k)の正負はk-1の正負に一致し、f(k)はつねに負であるとわかります。
したがってk-1が正になればよいですのでk>1となりしたがってm > 1です。
これでf(-k)が正になるのでf(x)=0は3個の異なる実数解をもちますので、[ア]はm > 1が入ることがわかります。

(2)はmの式にすると進められるかもしれません。
まずmの式にしようと考えて変形するとx3-3=(3x-1)mとなります。
ここでx=1/3だとすると左辺は-80/27、右辺が0になりますのでこれは成立しません。
ということで3x-1は0でなくなり、安心して割ることができます。ということでm=(x3-3)/(3x-1)とできます。
ということは、m >1より(x3-3)/(3x-1)が1より大きくなるようなxは解の可能性がある、ということがいえます。
というわけで(x3-3)/(3x-1) >1を解いてみましょう。
x > 1/3のときは 3x-1 >0ですのでx3-3 > 3x-1です。
移項してx3-3x-2=(x+1)2(x-2) >0となりますのでつまり x >2です。
x < 1/3のときは 3x-1 <0ですのでx3-3 < 3x-1です。
移項してx3-3x-2=(x+1)2(x-2) <0となりますのでつまり x <-1,-1 <x <1/3です。
ということは解の可能性がある区域がx <-1,-1 <x <1/3,x >2の3区間出ました。
そしてf(-1)=4m-4 > 0,f(1/3)=-80/27,f(2)=5-m <0ですのでそれぞれの区間には解は1個はあります。
さらに3次方程式の解は多くて3個なのでどの区間も1個ずつとわかります。
つまりこれがα、β、γの存在範囲となり、
[イ]はα < -1,[ウ]は-1 < β < 1/3,[エ]はγ > 2が入るということになります。

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